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労働者災害補償保険 (労災保険) |
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労災保険とは、業務災害または通勤災害を被った労働者やその遺族のために、必要な保険給付を行う制度です。
通常は一つの会社に一つの労災保険を掛ければ良いのですが、支店がいくつもある会社では、本社で一括して掛ける場合と、支店毎に掛ける場合とがあります。また、建設業の場合は、事務所(会社)に掛ける労災保険と現場に掛ける労災保険があります。現場の労災保険は、通常は、その現場の元請の会社に労災保険を興す義務が発生し、現場毎に掛ける必要があります。なお、その現場毎の請負金額により、その現場が単独で掛ける場合と4月から翌年の3月までの1年間の工事をまとめて申告する場合があります。
業務災害とは、労働者の業務上の負傷、疾病、障害または死亡をいいます。 また、業務災害とは業務が原因となった災害ということであり、業務と傷病等との間に一定の因果関係があることをいいます。
この業務災害に対する保険給付は、労働者が労働関係のもとにあった場合に起きた災害でなければなりません。つまり、業務災害となるためには、被災労働者が使用者の支配下にあったこと(業務遂行性)と、被災時に従事していた業務が傷病等の原因になったこと(業務起因性)の二つの要件を満たさなければなりません。
通勤災害とは、労働者が通勤により被った負傷、疾病、障害又は死亡をいいます。この場合の「通勤」とは、就業に関し、住居と就業の場所との間を、合理的な経路及び方法により往復することをいい、業務の性質を有するものを除くものとされています。往復の経路を逸脱し、又は往復を中断した場合には、逸脱又は中断の間は「通勤」とはなりません。
逸脱とは、通勤の途中で就業や通勤と関係のない目的で合理的な経路をそれることをいい、中断とは、通勤の経路上で通勤と関係ない行為を行うことをいいます。 |
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■ 労災保険の適用 |
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労働者を一人でも使用する事業(個人経営の農業、水産業で労働者数5人未満の場合、個人経営の林業で労働者を常時には使用しない場合を除きます。)は、適用事業として労災保険法の適用を受けることになり、加入の手続をとり(保険関係成立届の提出)、保険料を納付しなければなりません。保険料は全額事業主負担とされています。また、加入は事業場ごとに行うもので労働者ごとではありません。したがって適用事業場に使用されている労働者であれば誰でも、業務上災害又は通勤災害により負傷等をした場合は保険給付を受けることができます。なお、労働者とは、正社員のみならずパート、アルバイト等、使用されて賃金を支給される方すべてをいいます。 |
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■ 労災保険の給付 |
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@療養補償給付 「療養の給付」と「療養費用の給付」があり、療養の給付(負傷・疾病に対する医療等の現物給付)は労災病院や労災指定病院等で無料で診療が受けられます。また、療養費用の給付(療養費用に対する現金給付)は、療養の給付を受けるのが困難な場合や受けられない相当の理由がある場合に現金給付を受けるものです。いずれも傷病が治るなど療養を必要としなくなるまで行われます。
A休業補償給付 負傷・疾病の療養のために休業して賃金を受けられないときに支給される現金給付で、休業4日目から給付基礎日額(平均賃金)の60%と休業特別支給金(給付基礎日額の20%)が支給されます。因みに初日から3日間は、休業補償として平均賃金の60%を使用者の負担で支給しなければなりません。
B傷害補償給付 負傷・疾病が治ったときに障害が残った場合に支給され、その障害の程度に応じ年金(1級(給付基礎日額の313日分)から7級(給付基礎日額の131日分)があります)か一時金(8級(給付基礎日額の503日分)から14級(給付基礎日額の53日分)があります)の支給があります。
C遺族補償給付
被災労働者が死亡したときにその遺族に支給され、死亡時にその労働者の収入によって生計を維持していた配偶者等のその遺族数に応じて支給される年金(245日分から153日分)と遺族特別支給金(300万円)があります。また、遺族年金の受給資格者である遺族がいない場合に、被災労働者の死亡時に独立して生計を維持していた者などの遺族に対し支給される一時金(給付基礎日額の1000日分)があります。
D葬祭料 業務災害で労働者が死亡したときに、315,000円+給付基礎日額の30日分か給付基礎日額の60日分のどちらか高額になる方が支給されます。
E傷病補償年金 療養開始後1年6ヶ月を経過しても傷病が治らず一定以上の障害がある場合に、1級(給付基礎日額の313日分)から3級(給付基礎日額の245日分)の年金が支給されます。これは休業補償給付に代えて支給されるものなので休業補償給付は支給されなくなりますが、継続中の療養補償給付は引き続き実施されます。
F介護補償給付 神経や精神障害または胸腹部臓器の障害者のうち1級か2級の傷害補償年金または傷病補償年金の受給権者などで介護を必要とする受給権者に、常時介護は104,970円を随時介護は52,490円を上限として支給されます。
G二次健康診断等給付
一次健康診断(労働安全衛生法による定期健康診断)の結果一定の検査項目について異常が認められたときに、二次健康診断が給付されます。その症状が業務外ならば健康保険の保険給付が行われますが、業務上であれば労災保険の療養の給付が実施されます。 |
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労働者災害補償保険(労災保険) / 労働保険事務組合 (一社)九州商工事務協会・福岡事務所 |
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